ネットワークサービスやITマネジメントソリューションを手がけるKVH(現Colt Technology Services)は、2010年5月14日、現在千葉県印西市に建設中であり、東京近郊で2カ所目となる「KVH東京データセンター2」(KVH TDC2)が2011年2月に完成して運用を開始すると発表した。最新グリーンITを採用しエネルギー効率を重視した設計により、増加する電力供給および冷却能力ニーズに対し、最高水準のサービスで対応する予定とのこと。
来年2月に完成する第1棟は、4,000㎡のサーバールームを有し、2010年6月より開始する「KVHクラウドサービス」の中核拠点となる。KVH TDC2の敷地総面積は約30,000㎡、約16,000㎡のサーバールームの供給が可能で、将来的に最新の技術と設備を取り入れながら段階的に拡張を図っていく。
同データセンターでは、エネルギー効率の高い電力設備と空調設備が用意されるが、その主な特徴は以下のとおり。
- ラックスペースは、顧客ごとの専用エリアとして460㎡および1,000㎡単位で利用でき、平均電源容量は、標準1.8 kw/㎡から。
- ラックあたり6kwの電力消費をサポート。さらに、高密度化ソリューションを採用することで、20 kwまで対応可能。
- サーバールームは、2系統で電力供給を行う。UPSは、ブロックリダンダント方式、もしくはオプションにて2N構成が可能。
- ラックスペースの床荷重は、フリーアクセス床部分が850 kg/㎡、スラブ床部分では1,000 kg/㎡の設計。
- 電力供給と冷却能力によって、サーバーをはじめIT機器の統合を図り、保有ラック数の減少を実現可能にする。
同社によれば、KVH TDC2が開設される印西市は、都心から約30kmの位置にあり、活断層がなく強固な地盤で地震発生リスクが低い地域でもあることから、都心にプライマリー・データセンターを構える企業にとってBCP(事業継続計画)やディザスタ・リカバリー拠点として理想的な条件を兼ね備えている。
また、新データセンターでは、グリーンIT技術に基づくエネルギー効率の高い設計により、設備全体の電力量が削減される。たとえば、秋季から春季にかけて冷却塔にフリークーリングを利用することで、熱源設備の消費電力が削減可能となる。また、サーバールーム内に高効率な装置を配備することで、温度と湿度を厳密に管理し、従来より高い温度設定での運用が可能となる。これらのエネルギー効率化を図ることで、年間平均1.5以下のPUE(Power Usage Effectiveness)が実現するとしている。
KVH
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