「ITインフラは一切持たない」。大和ハウス工業はフルクラウド化を宣言する。事実、複数ベンダーのクラウドサービスを適材適所で使い分け、運用管理の手間を大幅に削減した。さらに、ユーザーニーズに応じた新システムの早期立ち上げも可能にした。(聞き手は本誌副編集長・川上潤司 Photo:福島正造)
─既存システムのクラウド移行を積極的に推進し、所有から利用モデルへの転換を急いでいると聞きました。そもそものきっかけからお伺いしたい。
加藤:源流をたどると、2006年にさかのぼります。そのころ、当社は社内のサーバールームや外部のデータセンターに、PCサーバーから大きなラック型に至るまで大小合わせて600〜700台の物理サーバーを所有していました。ご想像の通り、それらの運用管理は大変な作業でした。ここにいる櫻井をはじめ、担当者たちは人間らしい生活を送れていなかった。
─そんな大げさな(笑)。
加藤:いやいや、本当です。ネットワークやハードディスクに障害が発生したとなれば、夜中でも飛んでいって復旧させなければなりません。それから計画停止。これは業務時間外に実施する必要があります。小さいシステムであれば皆が眠っている夜間、大規模であれば盆暮れや5月の連休を返上して作業していた。
この記事の続きをお読みいただくには、
会員登録(無料)が必要です
会員登録(無料)が必要です
【次ページ】
- > 前へ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 次へ >
バックナンバー
- 「アミノ酸から新天地開拓へ」─事業成長と社会課題解決に向けた味の素のDX(2024/04/18)
- デジタルを駆使して“尖ったものづくり”を追求し続ける─DXグランプリのトプコン(2024/02/21)
- ヤンマーがグループ横断/現場主導で取り組む“データドリブンな業務改革”、その軌跡と成果(2024/01/09)
- 工場変革を起点に経営変革へ─データドリブンとリザルトチェーンで挑むサントリー(2023/10/31)
- 小林製薬が推進する「あったらいいなDX」─全員参加型改革プロジェクトの中身(2023/10/24)