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費用対効果と、“勇気”のこと

2012年12月12日(水)田口 潤(IT Leaders編集部)

情報システムの費用対効果をどうアピールし、必要な予算を確保するべきか? ITリーダーの方々にとっては、常に頭を悩ませる問題の1つと言えるだろう。

費用対効果と、“勇気”のこと

例えばスマートデバイスの利活用。導入企業に費用対効果の話を聞くと、コピー代や紙のパンフレットの削減などの数字を、きめ細かく積み上げる工夫をしているケースが多い。営業部門への導入事例なら訪問件数や成約額などの指標を使える気もするが、ある知人は「売り上げは、商品力や景気などにも左右されるので、スマートデバイスの効果とは言いにくい面がある」という。

筆者が理事を務めている日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)の会合でも、その悩みは尽きない。「データのクレンジングやマスター統合をしようにも予算がない、どうすればいいか」という疑問に対し、「何らかのプロジェクトに必要な予算を紛れ込ませるのがいい。マスターを整理・統合したからといって、直接的な効果は見込めないから、それが現実解だ」といった議論が割と頻繁に交わされるのだ。

本当にそうなのか。マスター統合のような事柄に予算を配賦できないのは何かおかしいのでは、などと考えている時に、別の考え方に出会った。毎週木曜日18時にUstreamで流しているIT Leaders Live!の11月15日放送分でのことだ。

弊誌Webサイトからアーカイブを辿れるのでぜひご覧頂きたいが、簡単に言えば「システムで実現する機能を効果とするのではなく、システムを使って引き起こす”変化”を効果として捉える」ということだ。マスター統合の話を例にすれば、マスターデータ管理システムの構築を出発点にするのではなく、経営者が知りたい数字や、データ一元化による資材調達コストの削減などを出発点にする。

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