[海外動向]
Microsoft Azureがさらに強化、ハイブリッドクラウド重視を鮮明に
2014年5月13日(火)田口 潤(IT Leaders編集部)
米マイクロソフトの年次カンファレンス「TechEd 2014」がテキサス州ヒューストンで幕を開けた。会期に合わせ、Windows Azureの数々の機能拡張を公表。まずは第一報として、その概要を見る。
モバイルファーストを加速する
(1) Office mobile app management with Windows Intune
Intuneは昨年リリースされた、クラウドによるデバイス統合管理ツール。これによってiOS、Android向けのOffice365を管理する機能を年内に提供する。Office365以外のアプリ ─SalesforceやConcur─ も管理可能にする。
(2) Microsoft Azure RemoteApp
プレビュー版。モバイルデバイスからWindow上のアプリケーションにアクセスすることを可能にする。マイクロソフトのリモート・デスクトップサービスとAzureを組み合わせて提供する。
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このほか開発者向けの機能強化も発表されている。 .NET for the cloudの最適化、 マルチデバイス(モバイルを含む)向けアプリ開発環境である「Apache Cordova」で稼働するVisual Studioのプレビュー、アジャイル開発に向けたVisual Studio Onlineの拡張、などである。結構、細かな拡張や強化に見えるが、それだけAzureが成熟しつつあり、その分、実用上意味のある機能の強化が増えていると見ることができる。
基調講演の中で、Brad Anderson同社コーポレート副社長は、企業向けパブリッククラウドの特性に関して、<1>ハイパースケールである(仮想サーバーの規模だけではなく、世界規模で展開できる=Azureは世界16の地域で展開)、<2>企業グレードのSLAを満たす、<3>ハイブリッドである(フレキシビリティに必須)、の3点を挙げ、「すべてを満たすのがMicrosoft Azureです」と言い切った。さすがに我田引水のイメージがあるが、「企業はハイブリッドクラウドに向けた戦略、ITアーキテクチャを真剣に検討するべき時です」(同)とのメッセージには耳を傾ける必要があるだろう。