【Special】

「信頼に足るクラウド/インターネット環境」を実現する新世代ITインフラ、その要件を探る

2014年10月30日(木)

ビジネスを取り巻く環境変化の激しい昨今、グローバル展開や新規事業の創出といった「攻めのIT投資」と、情報セキュリティやコンプライアンスの強化などの「守りのIT投資」をバランス良く展開する――そのための文字どおりの基盤として、企業におけるITインフラの重要性が数年前とは比較にならないほど高まっている。とりわけ、IT活用の生命線とも言えるクラウド/インターネットアクセス環境のパフォーマンスや信頼性については、ビジネスの成否に直結するほどのクリティカルな要素となってきている。今回、「信頼に足るクラウド/インターネット環境」を実現する新世代のITインフラの要件について、アカマイ・テクノロジーズ日本法人職務執行者社長の徳永信二氏に語ってもらった。

ビジネスを加速するインターネット―国内先進ユーザーの着目点

 自身の言の裏付けとして、徳永氏は、社内の情報インフラをインターネット上に構築し、競争力を生み出している先進的な国内事例をいくつか紹介した。最初に挙げたのは、大手自動車部品メーカーのデンソーの取り組みだ。

 デンソーは2014年5月、本社およびグループ会社の従業員を対象にしたグローバル情報ポータルサイト「DENSO CONNECTION」をスタート。世界数十カ国の135以上の拠点で働く13万人超のユーザーに対し、動画を含む各種の情報コンテンツを日本のサーバーから毎日発信している。

 開発プロジェクトがスタートしたのは2013年5月のこと。大規模ポータルシステムを実現するにあたり、情報漏洩を防ぐための高いセキュリティレベルの確保が必須であった。これを最優先の要件としたうえで、いかに高速かつ安定してコンテンツを世界中に配信できるかを突き詰めていったという。徳永氏は次のように話す。

 「これまで、当社が手がけるプロジェクトではパフォーマンスを優先させるお客様が多かったのですが、まずセキュリティから入ったというのがデンソーさんのプロジェクトのポイントです。社内システムとしての使用に十分耐えられるかを、保守的にも楽観的にもならず、必要なデータを集めてしっかりと検証したうえで臨まれたのがすごいところです」

 情報コンテンツを安全・確実に届けるために、デンソーはアカマイのCDNを選択した。スタートから半年弱にして、DENSO CONNECTIONは、高いアジリティを持ったコミュニケーション/コラボレーション基盤としてグローバル規模で定着。「必要な情報を必要なタイミングで日々自ら得られ、自社やグループ会社をより身近に感じられるようになったと、現場の社員からの評価も極めて高いようです」(徳永氏)

 デンソーのような自動車部品メーカーは早い時期からグローバル経営が前提となっており、インターネットやクラウドをグローバルITインフラとして活用することで得られるメリットにいち早く着目した業界の1つと言える。やはり同業界の大手であるカルソニックカンセイは、PDM(Product Data Management)システムを、アカマイのCDNを利用して世界中の拠点から利用できるようにしたグローバルPDMシステムを構築している。

 世界各国の拠点間で、専用線を使わずにインターネットベースでCADデータの共有を実現したこのシステムは業界の先駆けとなる試みだ。カルソニックカンセイでは、将来的にグローバルPDMシステムを、全社的なプロジェクトマネジメントを支える仕組みのプラットフォームとする構想まで描いている。

 一方で、徳永氏が数年前には考えられなかった動きが起こっていると話した金融業界はどうか。同氏が挙げたのは、カード信販大手の三菱UFJニコスの事例だ。同社はクレジットカードや電子マネーに対応したクラウド型マルチ決済システム「J-Mups」を2012年7月にサービスイン。従来10~15秒かかっていた決済システムの処理をアカマイのCDNを駆使して2秒に短縮。長年にわたってほとんど進展がなかったクレジットカードの店舗決済システムに大きな革新をもたらした。

 「三菱UFJニコスさんのビジネスの性格上、セキュリティがポイントになったのは言うまでもありません。それに加えて、決済システムの利用体験を変えるようなスピードと安定性が求められました。昨今、金融業界がインターネット活用に積極的になった背景の1つに、この事例の成功があるのではないでしょうか」(徳永氏)

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