中国メディア各社の報道から、IT関連の最新動向を紹介する「中国電脳事情」。1カ月間に報じられた主要なニュースから重要なものをピックアップしてお伝えする。
北京市、身分証明書の統一データベースを構築へ
―北京商報(2016年8月22日)
北京市では、ビックデータとクラウドの運用範囲の拡大のために、このたび「北京市ビックデータ・クラウドコンピューティング成長行動計画(2016-2020年)」を制定した。北京市経済・情報化委員会の副主任である毛東軍氏は、北京市人民政府広報部門が開催した発布記者会見の席上、同計画について詳細な説明を行った。その後、北京市では2年以内に身分証明書の統一データベースを構築すると発表した。
これまで、北京市民は抽選や不動産の購入など、あらゆる行政手続きの場面でその都度身分証明書や戸籍を提示する必要があったが、毛東軍氏によると、統一データベースの完成後は、北京市民は最初にどこかの行政部門で身分証を提示することで統一データベースに記録され、その情報は北京市の行政部門で共有される。そのため、今後は身分証の提示が不要となるという。これを同氏は「1窓口受理、1フォーム共有、1本化サービス、1システム手続き」と表現した。
また、この統一データベースは市民だけでなく、企業の「社会信用コード」(2014年より導入されている中国の法人番号)にも適用され、Webサイト上でだれでも企業の登記情報や許認可の状況などが一目瞭然になるという。毛氏は、「これにより企業間の各種照会業務の負担が大幅に軽減されることが期待できる」と胸を張った。
北京市中関村238社の上場企業の企業価値は、北京市GDPの2倍に相当
―証券時報(2016年8月3日)
「中国のシリコンバレー」の異名を持つ北京市西北郊外の科学・文教エリア、中関村。そこにはグーグルやレノボをはじめ中国内外のIT企業が集結している。このたび、中関村テクノパーク管理委員会の統計によると、2016年6月20日までに2015年度の財務諸表を公開した中関村エリアの上場企業数は238社であった。
一方、中関村上場企業協会が発表した報告書によると、2015年末までに中関村エリアの上場企業における企業価値の合計は4兆8175億元に達し、前年比50%以上の成長を3年間連続で実現した。そのうち、企業価値が500億元超の上場企業は17社で、上位20社の基準日における企業価値は466億元で、前年比の約2倍となった。2015年における北京市のGDPは2兆2968億6千万元(前年比6.9%増)であったので、前出の企業価値は北京市のGDPの2倍に相当する。
中関村上場企業協会会長で科興(Sainovac)ホールディングスCEOの尹衛東氏によると、「2015年は中関村エリア上場企業のうち少数派である大企業が強力に企業価値を集めた形となった。それら優良企業が中関村エリア全体の経済の牽引役となっている」との見解を示した。また尹氏は、「同エリアにおける多くの中小企業も非常に大きな成長空間があるので、将来的には中関村エリアの上場企業の企業価値は1000億元を超えると予想される」との展望を語った。
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