ストレージベンダーのネットアップは2019年2月26日、説明会を開き、仮想サーバー環境の性能や容量をスケールアウト型で増やせるアプライアンス製品「NetApp HCI」について、直近の情報をアップデートした。2019年1月にハードウェアのラインアップを刷新し、新たにGPU搭載ノードを追加した。
NetApp HCIは、ネットアップが2017年10月から提供している、仮想サーバー環境向けのサーバー/ストレージ統合パッケージである(関連記事:NetApp HCIが受注と出荷を開始、VMとストレージを個別に拡張可能な後発製品、写真1)。HCIの名を持つが、いわゆる他社のHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)とはアーキテクチャが異なり、仮想サーバーを動作させるコンピュートノードとストレージノードが独立している。ネットアップは、HCIはハイブリッドクラウドインフラストラクチャの略だとしている。
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コンピュートノードとストレージノードが独立しているため、ユーザーは、用途に合わせてこれらを自由に組み合わせられる。例えば、基幹システム用途において、データベースサーバーを高速に使うためにストレージノードを増やしてストレージ性能を高める、といったことができる。ストレージノードはコンピュートノードだけでなく任意の外部システムから外部ストレージとしてアクセスできる。
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「従来のHCIの課題に着目して開発した」と、ネットアップ システム技術部ソリューションアーキテクト部シニアソリューションアーキテクトの大削緑氏(写真2)は、NetApp HCIの意義を説明する。コンピュートノードとストレージノードを制御するためのオーバーヘッドがないために性能を落とさずに済むほか、それぞれを自由に拡張できるとアピールする。
一般的なHCI製品は、個々のアプライアンス機器の内蔵ディスクを分散ストレージソフトによって外部接続の共有ストレージに見立てる。このため、仮想サーバーの処理能力とストレージ性能の組み合わせに自由度が少ない。VDI(デスクトップ仮想化)などの用途には向くが、ストレージ性能を要求するアプリケーションには向かないケースもある。
VMwareサーバー仮想化とSolidFireをセット化
NetApp HCIのコンピュートノードは、サーバー仮想化ソフトとして、VMware ESXiを使う。これにより、VMwareの管理ソフト(vCenterなど)から管理できる。一方、ストレージノードは、米NetAppのストレージ機器「NetApp SolidFire」のソフトウェアを使う。分散ストレージソフトであり、ストレージノードの増設によってストレージ容量と性能を拡張できる。
ストレージノードで稼働するSolidFireは、QoS機能やデータ削減(重複排除、圧縮)機能も備える。QoSでは、個々の仮想サーバーが必要とするストレージ容量と最低保証性能(I/O毎秒)を設定できる。仮想サーバー単位でストレージボリュームを割り当てる仕組みとしては、VMwareの標準APIである「VMware vSphere Virtual Volumes」(VVol)に対応している。
説明会では、直近のアップデートとして、2019年1月にラインアップを刷新したことを発表した。現行のモデル構成は、コンピュートノードの後継モデル「H410Cシリーズ」と、GPUを搭載したコンピュートノードの新モデル「H610Cシリーズ」の2つである。H410Cシリーズは、従来モデルと比べてCPUコアの選択肢などを増やして製品を選びやすくした。H610Cシリーズでは、VDIなどのためにGPU(NVIDIA Tesla M10×2)を搭載した。