伊藤忠オリコ保険サービスは、クラウド型の営業支援システムを、要件定義から利用開始まで2カ月という短期間で構築した。顧客提案力の強化と営業活動の標準化が目的。サイボウズの開発ツール「kintone(キントーン)」を使って構築した。SIベンダーのJBCCが2020年5月25日に発表した。
伊藤忠オリコ保険サービスは、企業と企業の従業員に対して、生損保商品とコンサルティングサービスを提供している。顧客の要望や潜在的なニーズを満たすためには、顧客に関する子細な情報を蓄積するとともに、これらのデータを活用したタイムリーな提案活動が不可欠である。
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同社は従来、営業に利用するデータを、営業部署ごとにExcelを作成して管理したり、営業担当者自身で情報や案件の進捗を管理したりしていた。今回、これを改めた。全社で統一した情報管理体系へと移行するために、クラウド型の営業支援システムを導入した(図1)。
クラウド型の営業支援システムによって、営業担当者は、顧客に対する提案の精度が向上した。さらに、必要なアクションをタイムリーに実施できるようになった。営業管理者も、案件の内容や進捗が可視化されることによって、営業担当者に対する的確なアドバイスを行えるようになった。
システムは、サイボウズの「kintone(キントーン)」を使って構築した。kintoneは、業務用のWebアプリケーションを、ドラッグ&ドロップなどの操作で開発できるPaaSである(関連記事:サイボウズ、クラウド型業務アプリ開発・実行環境「kintone」にIF関数を追加、表計算から移行しやすく)。
kintoneを使うと、営業の案件管理や進捗管理、タスク管理、社員の業務日報など、各種のWebアプリケーションを、プログラミングすることなく構築できる。また、Web APIを使って任意のアプリケーションとデータ連携できる。システム連携の例として伊藤忠オリコ保険サービスは、営業支援システムに入力した商談日時を個人予定表に自動で反映させている。
伊藤忠オリコ保険サービスのシステムでは、kintone用プラグイン「ATTAZoo+」(JBアドバンスト・テクノロジー製)を採用した。自動採番、レコードの一括更新、簡易検索機能、誤入力防止/自動入力などの機能を持つ。入力ミスによる誤情報を減らし、確認・手戻りの発生を最小化できる。