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サイバートラスト、クラスタリングソフト「MIRACLE CLUSTERPRO X」新版、遠隔ミラーリング通信を暗号化
2021年9月10日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
サイバートラストは2021年9月9日、クラスタリングソフトウェア「MIRACLE CLUSTERPRO X 4.3」の販売を開始した。Linux OS「MIRACLE LINUX V7 SP5」に対応したねHA(高可用)システムのためのクラスタリングソフトの新版に相当する。新版では、遠隔地とのミラーリング通信の暗号化や、CUIコマンドでのクラスタリング設定が可能になった。
サイバートラストの「MIRACLE CLUSTERPRO X」は、NECのクラスタリングソフトウェア「CLUSTERPRO X」と、サイバートラストのLinux OS「MIRACLE LINUX V7 SP5」をセットにしたパッケージ製品である(関連記事:サイバートラスト、Linuxの高可用性クラスタパックに新版、コマンドラインやREST APIで外部連携)。
CLUSTERPRO Xは、複数のサーバー機をクラスタリング構成でつないだ状態で、ハートビート(死活監視)の応答によってサーバーの状態を監視する。応答が途絶えるとシステムが停止したと見なし、別のサーバーで処理を引き継ぐ仕組み。クラスタリング構成をとらずに、OSやアプリケーションの再起動でサービスを継続する使い方もできる。
今回の新版(4.3)は、2021年4月に提供を開始した「CLUSTERPRO X 4.3」と「MIRACLE LINUX V7 SP5」(正式名称:Asianux Server 7 == MIRACLE LINUX V7 SP5)を組み合わせている。
新版では、ミラーリング通信を暗号化する機能が加わった。パブリックなネットワークを仲介して遠隔クラスター構成をとりたい場合などにおいて、クラスター間のミラーリング通信を暗号化してデータを保護する。
クラスタリングの設定を容易にした。クラスターを構築できるCUIコマンド「clpcfset」を追加したほか、CUIコマンドを利用してクラスタリングの構築や設定を自動化するAnsibleの定義ファイルを用意している。加えて、クラスタリングの設定を対話型で行うWeb画面「Cluster WebUI」の操作性を高めている。リファレンスガイドと連携し、異常発生時の対処方法をCluster WebUIから確認できるようにした。
MIRACLE CLUSTERPRO X新版の販売に合わせて、クラスタリング構成をとらずにサーバー1台だけで可用性を高める「MIRACLE LINUX V7 HA」の新版も販売開始した。障害の検知時にOSの再起動やアプリケーションの再起動によって業務を復帰させる仕組みである(関連記事:サイバートラスト、Linuxの高可用性クラスタパッケージに新版、管理画面をJavaからWebに刷新)。
価格(税別)は、MIRACLE CLUSTERPRO Xが60万円から。MIRACLE LINUX V7 HAが9万円から。