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富岳ベースの商用スパコン「PRIMEHPC FX700」、コアあたり性能を高めたCPUを用意

2021年11月8日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

富士通は2021年11月8日、「富岳」をベースとした商用スーパーコンピュータ「PRIMEHPC FX700」のラインアップを強化した。CPUのコア数/動作クロックの選択肢を増やし、コア数を2分の1に減らした代わりに動作クロックを1.3~1.4倍に高めたCPU(2.6 GHz、24コア)を選べるようにした。同容量のメモリーを搭載しているため、コアあたりでは2倍のメモリーを利用できる。

 富士通の「PRIMEHPC FX700」は、スーパーコンピュータ「富岳」の技術を活用した商用スパコンである(写真1関連記事富士通、京後継「富岳」ベースの商用スパコン「PRIMEHPC FX1000」「同FX700」を販売)。

写真1:PRIMEHPC FX700の外観写真1:PRIMEHPC FX700の外観(出典:富士通)

 FX700はシリーズの下位モデル。標準ラックに搭載可能なラックマウント型筐体で、空冷式で動作する。ノード間接続には、InfiniBandを採用する。上位モデルの「FX1000」は、ラック型筐体で、水冷式で動作する。ノード間接続には、富岳と同じ「TofuインターコネクトD」を採用する。

 今回、FX700において、CPUのコア数と動作クロックの選択肢を増やした。コア数を既存モデル(48コア)の1/2である24コアに減らした代わりに、動作クロックを既存モデル(1.8GHz、2.0GHz)の1.3倍~1.4倍に当たる2.6GHzに高めたCPU(2.6 GHz、24コア)を選べるようにした。同容量のメモリーを搭載しているため、コアあたりでは2倍のメモリーを利用できる。

 既存のCPUと比較して、CPUあたりの理論演算性能は下がっているが、コアあたりの理論演算性能は動作クロックの向上によって上がっている(表1)。

表1:PRIMEHPC FX700の仕様(出典:富士通)
CPU 1.8GHz 48コア 2.0GHz 48コア 2.6GHz 24コア
CPU
理論演算性能

2.7648 TFLOPS
(倍精度)

3.072 TFLOPS
(倍精度)
1.9968 TFLOPS
(倍精度)
1コアあたり
理論演算性能
57.6 GFLOPS
(倍精度)
64 GFLOPS
(倍精度)
83.2 GFLOPS
(倍精度)
ノード
  • 1CPU/ノード
  • 32 GiB(HBM2)
  • InfiniBand EDRまたはInfiniBand HDR100
  • 512 GB SSD
シャーシ
  • 2Uラックマウント
  • 空冷式
  • 最小2ノード~最大8ノード
ソフトウェア
  • Red Hat Enterprise Linux 8(レッドハット)
  • FUJITSU Software Compiler Package(富士通)
  • Bright Cluster Manager(Bright Computing)
  • Altair PBS Professional(Altair Engineering)

 なお、PRIMEHPC FX700が搭載するARMベースのCPU「A64FX」の特徴は、従来のスーパーコンピュータが得意とするシミュレーションだけでなく、ビッグデータ処理やディープラーニング(深層学習)など幅広い分野に適応すること(関連記事富士通、ポスト「京」のCPU「A64FX」の仕様を公表)。
 

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