大日本印刷(DNP)は2021年11月30日、「DNP遠隔接客支援サービス」の機能を強化したと発表した。リモートで接客中の顧客の音声から感情分析を行い、顧客の感情をリアルタイムに把握できるようにした。接客中のオペレーターに顧客の感情を伝えることで、効果的な接客・商談を支援する。価格(税込み)は初期費用が30万円から、運用費用が月額5万円から。
大日本印刷(DNP)の「DNP遠隔接客支援サービス」では、店頭のタブレット端末とコンタクトセンターをビデオ通話でつなぎ、店頭の販売員に代わってコンタクトセンターのオペレーターから商品説明を行えるようにする。映像・音声による説明に加え、商品・サービスの関連資料をタブレット端末に映し出す。資料への書き込みも可能で、顧客は、画面上で関心のある箇所を長押しして、関心のある箇所をオペレーターに伝えることができる(図1)。
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今回、同サービスの機能を強化し、リモートで接客中の顧客の音声から感情分析を行い、顧客の感情をリアルタイムに把握できるようにした。接客中のオペレーターに顧客の感情を伝えることで、効果的な接客・商談を支援する。なお、この機能は、同サービスだけでなく、他社のリモート接客システムや機器に対しても、特別な仕様に変更することなく導入が可能という。
今回実装した音声感情分析は、接客・商談の際に顧客が発した「声の波形の振幅や間隔」と「周波数」を解析して9つの感情に分類する(正直・本心、高い期待、興奮、恥じらい、確信が持てない・自信がない、ストレス、緊張、強い興奮、より高いストレス)。この感情を「顧客の発言の信憑性」や「現状の心境」として、接客中のオペレーター端末に表示する仕組みである(画面1)。
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DNPは、今回開発したシステムを提供することに加えて、2021年12月からは同システムを利用してリモート接客を代行するサービスも提供する。さらに、リモート接客を行うスタッフの派遣や育成、接客に必要なコンテンツの作成や実店舗の陳列棚づくり、接客の効果分析などもトータルで提供する。