米ブロードコム(Broadcom)は2022年5月26日(米国現地時間)、米ヴイエムウェア(VMware)を買収すると発表した。買収額は約610億米ドル(1ドル127円換算で7兆7470億円)で、現金および株式で支払う。ブロードコムは、ヴイエムウェアの純負債80億ドルも引き受ける。買収後、ソフトウェア事業のBroadcom Software GroupをVMwareとして再ブランド化し、既存のソフトウェア製品をVMwareポートフォリオの一部として組み込む。
米ブロードコムが、米ヴイエムウェアを買収額約610億米ドル(約7兆7470億円)で買収する。ヴイエムウェアの純負債80億ドルも引き受ける。買収後、ソフトウェア事業のBroadcom Software GroupをVMwareとして再ブランド化し、ソフトウェア製品をVMwareのポートフォリオの一部として組み込む。2021年会計年度の試算で、ソフトウェア収益が総収益の約49%を占めるとしている。
ブロードコムは、ネットワーク機器のASIC(特定用途向けIC)など、データセンター/ITインフラ分野を中心とする半導体/ITインフラ製品ベンダーである。2016年にはファイバチャネルスイッチを提供する米ブロケード コミュニケーションズ システムズ(Brocade Communications Systems)を買収して(買収完了は2017年)、データセンター製品群を拡充。2017年には半導体大手の米クアルコム(Qualcomm)の買収を提案した。ただし、この買収には失敗している。
2018年以降はポートフォリオをソフトウェアへと拡大。同年に米CA Technologiesを、2019年に米シマンテック(Symantec)の法人向けセキュリティ事業をそれぞれ買収した(ブロードコムはその後、同事業をアクセンチュアに売却)。
一方、ヴイエムウェアはデータセンター/ITインフラを対象としたソフトウェアベンダーであり、サーバー仮想化やクラウド運用で市場リーダーのポジションにある(関連記事:アクセンチュアがブロードコムからシマンテックの法人向けセキュリティ事業を買収)。
ヴイエムウェアは2004年に米EMC傘下となり、米デル(Dell)によるEMC買収を経て2016年からデル・テクノロジーズ(Dell Technologies)傘下となった。2021年にはデル・テクノロジーズからスピンアウトし、独立系ベンダーとなっていた(関連記事:米デルが米EMCを約8兆円で買収、巨大な非公開企業の誕生へ/デルのEMC買収、統合後の新社名はDell Technologiesに/米ヴイエムウェア、米デル・テクノロジーズからスピンオフし再び独立企業に)。