[架け橋 by CIO Lounge]

難問が山積する「経営とIT」の交接点、CIO Loungeは経営者とCIOの架け橋を目指す

CIO Lounge 理事長 矢島孝應氏

2022年6月9日(木)CIO Lounge

日本を代表する百戦錬磨のCIO/ITリーダー達が、一線を退いてもなお経営とITのあるべき姿に思いを馳せ、現役の経営陣や情報システム部門の悩み事を聞き、ディスカッションし、アドバイスを贈る──「CIO Lounge」はそんな腕利きの諸氏が集まるコミュニティである。本連載では、「企業の経営者とCIO/情報システム部門の架け橋」、そして「ユーザー企業とベンダー企業の架け橋」となる知見・助言をリレーコラム形式でお届けする。第1回は、CIO Loungeの共同発起人で理事長の矢島孝應氏からのメッセージである。

 IT Leaders読者の皆様、こんにちは! NPO法人のCIO Loungeで理事長を務める矢島孝應です。今回から月に2回のペースで、CIO Loungeのメンバーが皆様へのメッセージをお届けすることになりました。「CIO Loungeって何? 会社、任意団体、それともラウンジ?」といった疑問を持つ方は少なくないはずなので、第1回目はCIO Loungeについて趣旨や背景をお伝えします。

 最初に自己紹介から。私は大学を卒業後、松下電器産業(現パナソニック)に入社し、「IT革新なくして経営革新なし」の方針の下で長年、情報システム部門でIT革新を担いました。その間、5年ほど米国松下に駐在し、全米各地の拠点のIT化を進め、帰国後は理事としてグループ全社のIT部門責任者を務めています。

 その後、2009年にパナソニックが三洋電機を買収した際、執行役員CIOとして三洋電機へ出向し、経営統合を担当。2013年1月に縁あってヤンマーに転職し、同社のIT化/DXを取締役CIOとして推進しました。期せずしてIT活用では先進的とされる製造業3社でシステム責任者を務めたのです。

 しかし、その3社においても、まだ経営とITが一体で動けていない──こういう実感を私は抱きました。何がその要因で、どうすれば乗り越えられるのか? これらについては、今後、当コラムでCIO Loungeの理事やメンバーが説明しますので、今回は割愛しますが、私には「経営とITをもっとスピーディかつ的確に結び付けていかなければ日本経済や企業は成長できないのではないか」という、強い懸念がありました。

 そんな思いを他社の同じ立場のCIOやIT責任者とお話ししたところ、同様の懸念を持つ方々が少なくないことを確信しました。そうした方々──大和ハウス工業やダイキン工業、SCREENホールディングス、コニカミノルタなど──と共に設立したのがCIO Loungeです。

 CIOやIT責任者、さらには経営者の悩みを率直に伺う。同じ目線で議論する。あるいは、いわゆる「壁打ち」の相手になる──。我々の知見やスキルを提供しながらそんな役割を担い、中堅・中小企業の方々も含めた日本企業のIT化やデジタル化を加速させるために貢献するのが我々の想いです。

 例えば、“2025年の崖”と言われるにもかかわらず、大手企業ではまだ多くのレガシーシステムを運用しています。背景に、刷新に多額の投資を要する半面、付加価値はそれほど向上しないことについて、経営者とCIOやIT責任者の間でコミュニケーションができていないケースが数多くあることも分かっています。

 一方、日本企業の99%は中小企業であり、大手企業はその協力があって事業を展開できています。ところが中小企業ではIT活用や情報セキュリティはまだ不十分です。経営者が気軽に相談する相手が存在しないことが、その一因でしょう。

 問題は、ほかにもたくさんあります。

●経営データ分析や活用が重要と言われる中で構築した「経営コックピット」のような仕組みが、なかなか経営には役立たない
●本当に必要なサイバーセキュリティー対策の取組み、枠組みが見えない。結果、湯水のように投資せざるを得ない
●事業運営を支える基幹系システムだけではなく、コロナ禍において「非基幹系システム」の重要性が高まってきている。しかしIT部門は十分に対応できていない
●「DX」がブームになり、経営からはDXを進めるよう指示がある。だがITをおろそかにはできない。いかに有機的にITとDXを進めれば良いのかが見えない
●データの収集、分析、活用やAIの構築を、どのように経営に活かせるか悩ましい

 このような、必ずしも最適解が存在しない複雑な問題やテーマに関して、真剣に取り組む経営者やCIOほど孤独な戦いを強いられている現実もあります。そうした方々をサポートするため、CIO Loungeには現在、現役とOBを合わせたCIOおよびIT責任者が45名ほど在籍しています。

 企業経営に携わってこられた方々にもアドバイザーとして参加いただいていますし、日本を代表するIT企業や、コンサル会社からスタートアップのIT企業まで85社を超える技術やソリューションを提供する企業に運営をサポートいただいています。守秘義務は、もちろん徹底的に守ります。「こんな内容を聞くのはどうか?」などと躊躇することなく、いつでもお声がけいただければ幸いです。

 最後に本コラムの名称について。実はCIO Loungeのロゴマークは、「架け橋の上に人が立っている(人を横から見るとCIOと言う文字になっています)」をイメージしています。「企業の経営者とCIO/情報システム部門の架け橋」、そして「ユーザー企業とベンダー企業の架け橋」です。そこで本コラムを『架け橋 by CIO Lounge』としました。次回以降、メンバーの考え方や知見を連載しますので、よろしくお願いいたします。


●筆者プロフィール

矢島 孝應(やじま たかお)
1979年、松下電器産業(現パナソニック)入社。1997年にアメリカ松下電器でMISジェネラルマネージャ、2005年に帰国して本社情報企画部長(理事)、2010年に三洋電機の執行役員CIOなどを歴任。2013年には執行役員としてヤンマーに転じ、2018年から同社取締役CIOを務めた。2020年、仲間とCIO Loungeを設立し、理事長に就任。趣味はゴルフ、ワイン(特にイタリアピエモンテ州の赤ワイン)。

※当コラムはCIO LoungeのWebサイトにも同時に掲載しています。


特定非営利活動法人 CIO Lounge
https://www.ciolounge.org/
「急速に変化・進展しているIoTやAIなどの先端ICTをいかに経営に取り込み、企業活動を伸長させるか?」──NPO法人CIO Loungeは、大手企業でCIO/IT部門責任者としてこれらの課題に先進的に対応してきたメンバーが集うコミュニティである。各人の経験・知見をもって、現役の経営層/CIO/IT部門責任者の相談/討論の相手となり、解決への糸口を探る。各企業へのコンサルティング/各種セミナー開催・次世代CIO育成等さまざまな活動を通じて、デジタル社会の発展や最新ICT活用の普及に貢献することを目指している。

バックナンバー
架け橋 by CIO Lounge一覧へ
関連キーワード

CIO Lounge / 経営改革 / 組織変革 / デジタルトランスフォーメーション / CIO / 2025年の崖 / IT投資

関連記事

Special

-PR-

難問が山積する「経営とIT」の交接点、CIO Loungeは経営者とCIOの架け橋を目指す日本を代表する百戦錬磨のCIO/ITリーダー達が、一線を退いてもなお経営とITのあるべき姿に思いを馳せ、現役の経営陣や情報システム部門の悩み事を聞き、ディスカッションし、アドバイスを贈る──「CIO Lounge」はそんな腕利きの諸氏が集まるコミュニティである。本連載では、「企業の経営者とCIO/情報システム部門の架け橋」、そして「ユーザー企業とベンダー企業の架け橋」となる知見・助言をリレーコラム形式でお届けする。第1回は、CIO Loungeの共同発起人で理事長の矢島孝應氏からのメッセージである。

PAGE TOP