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アカマイ、動的なWebリクエストをエッジ処理で高速化するMacrometa GDNを提供

2023年7月5日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

アカマイ・テクノロジーズは2023年7月5日、説明会を開き、同社のIaaSから提供している米マクロメタ(Macrometa)のエッジコンピューティング事業について説明した。Web APIやデータベースアクセスを伴う動的なWebリクエストの処理を、エンドユーザーに近いエッジサイトで実行することで、少ない遅延でWebアプリケーションを利用できるようにする。米アカマイが2022年に買収した米リノード(Linode)のIaaSを使って提供しているサービスである。

 米アカマイ・テクノロジーズ(Akamai Technologies)は、米マクロメタ(Macrometa)のエッジコンピューティングサービス「Global Data Network(GDN)」をアカマイのIaaS上で提供している。Web APIやデータベースアクセスを伴う動的なWebリクエストの処理を、エンドユーザーに近いエッジサイトで実行することで、少ない遅延でWebアプリケーションを利用できるようにする。

写真1:米マクロメタ(Macrometa)でCEOを務めるチェタン・ベンケタッシュ(Chetan Venkatesh)氏
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 マクロメタは2017年から、米リノード(Linode)など複数のIaaSを使ってGDNを提供してきた。アカマイは2022年にリノードを買収してIaaS基盤を入手し、リノード上のGDNを、現在ではアカマイのサービスとして提供している。GDNは複数クラウドで提供しているサービスだが、GDNの90%はリノード(アカマイ)で動作している。

 アカマイがこれまで提供してきたCDNは、条件によっては動的なWebコンテンツもキャッシュ可能だが、静的なWebコンテンツをエンドユーザーに近いサイトでキャッシュしてWebアクセスを高速化する使い方がメインのサービスだった。一方、「GDNは、Web APIアクセスやデータベースアクセスをともなう動的なWebリクエストに対し、エンドユーザーに近いサイトで、AIなどを使って処理を実行する。こうして柔軟にレスポンスを生成することで、Webアクセスを高速化する」(米マクロメタCEOのチェタン・ベンケタッシュ氏、写真1)。

 GDNは大きく2つの使い方がある。1つは、PaaSとしての使い方である。複数のエッジサイトにサーバーを分散させたアーキテクチャで動作するWebアプリケーションやWeb APIの開発・実行環境を提供する。GDNを利用するサービス事業者は、GDNが用意しているデータベースなどを用いてWebアプリケーションやWeb APIを開発する形になる。

 すでに稼働しているWebアプリケーションやWeb APIに対しては、これらへのアクセスを仲介するプロキシサーバーとしての使い方もある。Webコンテンツを参照する使い方の場合は、コンテンツの変換・生成機能を持った高性能なキャッシュサーバーとして機能する。より高速にコンテンツを送信できるように、Webリクエストに対して、エッジ上でコンテンツを変換・生成して配信する。

 すでに稼働しているWebアプリケーションやWeb APIに対しては、更新系のWeb APIなど、データベースに更新がかかる使い方も可能である。オリジナルサイトへの問い合わせの返信を待つことなく、エッジ処理だけでレスポンスが返る。エッジサイトに置いたデータベースへの更新を、他のサイトのデータベースやオリジナルサイトのデータベースに非同期または同期型で反映する。

 なお、アカマイは、これまでの主軸事業であるCDN(コンテンツ配信ネットワーク)から、現在ではWAFなどのセキュリティ事業、今後はサーバーやコンテナなどを動かすIaaS事業に注力している。IaaS事業を支える技術として、リノードのIaaSを活用する。GDNもIaaSを活用したコンピューティングサービスの1つである(関連記事アカマイの主軸事業はCDNからWAFなどのセキュリティに、今後はIaaSへ)。

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