[事例ニュース]

2024年7月29日(月)IT Leaders編集部、日川 佳三

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　半導体・電子材料などを製造する化学工業メーカーのレゾナックは、レゾナック大分コンビナート（大分県大分市、写真1）において、熟練運転員のノウハウを利用してプラント異常予兆時の行動を支援するシステムを構築した。石油化学製品の基礎原料であるエチレン製造の運転業務に関する約3000のアラーム（異常予兆などの警告）を対象に、2024年5月から運用している。

写真1：レゾナック大分コンビナート（大分県大分市）の外観（出典：レゾナック）

　システムは、日立製作所の情報管理ソフトウェア「WIGARES（ウィガレス）」を用いて構築した。同ソフトは、製造業の属人的なノウハウをデジタル化し、業務遂行に必要な一連の情報を適切なタイミングでユーザーに自動提供する（関連記事：日立、製造業の属人的なノウハウをデジタル化する「WIGARES」、業務に必要なデータを自動で提供）。

図1：WIGARESを用いて構築した、熟練運転員のノウハウを蓄積してプラント異常予兆時の行動を支援するシステムの概要（出典：レゾナック、日立製作所）
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　WIGARESでは、異常予兆に対して、解決に必要なマニュアルや図面などの情報を、短時間でユーザーに表示する（図1）。プラントの運転員は、ファイルサーバーにアクセスして図面やマニュアルなどを参照する従来手法と比べて、半分の時間でこれらの情報を取得できるようになった。なお、異常を検知する手段としてレゾナックは、日立のプラント向け異常予兆検知システム「ARTiMo（アルティモ）」を2018年より利用している。