[ユーザー会通信]
全国11支部3800会員が切磋琢磨する、国内最大級の情報システム系ユーザー会─FUJITSUファミリ会
2008年10月23日(木)IT Leaders編集部
ユーザー会というと「単なる懇親会」と考える人も多いだろう。だが、ユーザー会は、上手く活用すれば、ユーザー企業にとって価値のある情報や交流をもたらしてくれるものだ。このコラムでは、ITベンダーのユーザー会を毎号1つずつ取り上げ、その活動や成果を紹介していく。第1回は、40年以上の長い歴史を持つ富士通の「FUJITSUファミリ会」を紹介する。
年間400回に及ぶ活発な活動
富士通ユーザーの相互交流・研鑚を目的に1964年に発足した「FUJITSUファミリ会」。2008年度現在、全国11の支部で、約3800会員が所属。国内最大級の情報システム系ユーザー会として、活発な活動を繰り広げている。
ファミリ会の主な活動は、全国活動、支部活動、特別委員会(LS研究委員会)の3つで構成されている。
全国活動としては、全国の会員が一堂に会する大会の開催や、会報誌の出版、Webサイトでの情報提供、海外セミナーの運営、論文募集などがある。
支部活動も活発だ。北海道から九州まで全国11の支部では、情報システムに関する最新情報の提供や会員相互の交流だけではなく、人材育成を目的とした活動も展開。また、実機研修やパソコン教室など、ユーザー部門を対象としたセミナーも豊富に催している。
活動は実に年間400回におよび、交流や情報共有はもちろん、共通の課題を解決する場としても機能している。
また、グローバル化の流れとともに、アジアをはじめとする海外拠点にもユーザー会活動は拡大している。
先端技術の研究や人材育成も
ファミリ会の活動を活性化しているもう1つの原動力が、大手企業を中心としたLS(ラージシステム)研究委員会(LS研)である。1978年に設立、2007年にファミリ会の構成組織となった。LS研で特に活発に行われている活動が分科会だ。先進的なコンセプトや技術動向、情報システム部門の課題について研究する研究分科会をはじめ、より実践的なテーマを短期間で調査・検討する短期分科会、IT企画部門や情報システム部門の課長クラスを対象にしたマネジメント分科会などが設置されている。
内容もIT戦略、人材育成といった経営的な視点のものから、技術、管理、運用など実務に関するものまでバラエティに富む。研究成果の発表会が毎年行われ、2007年度は「最新技術を活用したサーバ統合モデルの策定」が報告書審査で最優秀賞を受賞している。内容については会員専用のホームページで閲覧できるほか、会報誌にも掲載され、その成果を会員が情報共有できるようになっている。
設 立 | 1964年 |
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趣 旨 | 異業種交流、情報収集、人材育成 |
会員数 | 約3800会員 |
主な参加企業 | JFEシステムズ(会長)、新日軽(副会長)、菱食(副会長) |
URL | http://jp.fujitsu.com/family/ |
全国活動 | 春季大会/総会(毎年5月)、秋季大会(毎年秋)、海外セミナー、会報「Family」の発行、会員専用ホームページ「FAMILY ROOM」、論文募集(年2回)など |
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支部活動(日本全国に11支部) | 事例研究会、見学会、グループ研究会、セミナー、パソコン教室、実機体験セミナーなど |
特別委員会(LS研究委員会) | 研究分科会、総合発表会、研究成果報告書、セミナー、フォーラムの開催など |
会長からのメッセージ

岩橋 誠氏
JFEシステムズ
代表取締役社長
「FUJITSUファミリ会」が掲げるスローガンは「語り合う夢、きそいあう知恵」。この言葉が表しているように、当会の役割はITに対する思いや価値観を共有化し、抱えている問題を解決する場を提供することです。日本のIT産業はまだまだ未成熟でステータスも低い。だからこそ、ファミリ会での活動を通じて、国際競争力のある産業へレベルアップさせることに貢献していきたい。昨年、ファミリ会とLS研が統合され、さらに活動は活気づいており、成果も出ています。これからの活動に期待してください。
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