ITに関わる様々な出来事やキーワード、事象について、本誌読者はどう見ているのか。 今回のテーマは「海外展開とデータ統合」。その重要性は語りつくされている感があるが、実態はどうか。 現在、海外事業を展開している各企業に現状と課題を聞いた。MM総研+IT Leaders編集部
所属する企業の全売上に占める海外売上比率を尋ねたところ、読者390人から有効回答が得られた(図1)。すでに海外売上があると回答したのは37.4%。その大多数が2015年までに、海外比率を積極的に高める姿勢を見せている(図2)。
グローバル規模で競争が激化している中、即断即決のスピード感をもって事業にあたるには、何よりも整合性のあるデータに基づいた意思決定が欠かせない。現時点で海外展開中の各企業の実態を示すのが図3だ。
データをきちんと統合できている企業は思いのほか少ない。海外売上が51%以上の企業において「全拠点」で統合できているとの回答が30%あったのは評価すべきだが、全体的に見て「半分程度」「半分以下」の比率が高い。自由記入欄に記入してもらったコメントを突き合わせて見ると(右ページ参照)、コードの標準化やシステム仕様の統一などデータマネジメントの体制が整っていないという課題に加えて、ネットワークなどのインフラ環境が情報統合を妨げている実態も浮かび上がってくる。データの高度活用が喫緊の課題であるにもかかわらず、そこに至る地盤整備はまだまだ進んでいないことが垣間見える。
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