[シリコンバレー最前線]

シリコンバレーにバブル再来か? カリフォルニア州の6分割案も浮上

2014年8月13日(水)山谷 正己(米Just Skill 社長)

2014年第2四半期、米国におけるベンチャーキャピタル(Venture Capital:VC)による投資総額は138億ドルに達し、14年前のバブル期の総額を上回る。その52%はシリコンバレーとサンフランシスコの両地区に投資されており、前四半期から45%も増えた。不動産価格も高騰し、富の一極集中が起きている。そうした中、カリフォルニア州を6つに分割しようという動きも出てきた。

図1:「ブルームバーグ・シリコンバレー・インデックス」の推移図1:「ブルームバーグ・シリコンバレー・インデックス」の推移
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 米国経済は2008年のリーマンショックから立ち直り、景気は上向きになってきた。株式市場も好調で、「ダウ・ジョーンズ平均」は1万7000ドルを超えている。シリコンバレーの主要13社(Apple、Google、HP、Intel、Oracleなど)の1994年12月30日の株価を100とした係数値である「ブルームバーグ・シリコンバレー・インデックス」も2014年6月以降は1000ドルを超え、最高値を更新し続けている(図1)。

 この1年に全米で250万人もの雇用が増え、失業率は6.1%にまで下がっている。農業を除く産業界の生産性は、この1年で1.4%向上した。シリコンバレーに限れば、就業人口は95万5000人、失業率は5.3%だ(図2)。

図2:米国全体とシリコンバレーの失業率図2:米国全体とシリコンバレーの失業率
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 ただ、金融街は好景気で、ハイテク業界は人手不足でも、失業率はゼロにはならない。大学院まで出たものの就職できない若者も多い。技術革命の時代に求められているのは、高度な技術者であり、歴史や文学などの学問を究めても就職先は皆無に等しいからだ。

 一方で国際政治では、イランやイラク、ウクライナ、そしてイスラエルとハマスなど、火種は尽きない。米連邦準備銀行議長ジャネット・イエレン女史は、「米国経済はまだ骨太の好景気に至っていない」として慎重な姿勢を崩さず、しばらくはゼロ金利政策を続けることを表明したのである。

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