米国の学校は6月半ばから夏休みに入っている。小・中・高校は8月末まで2カ月半が、大学は9月末までの3カ月半が夏休みだ。大学生にとっての夏休みは、学費を稼ぐ格好の時期である。そして慢性的な人材不足に悩むIT業界にとっては、インターンシップにより人材を見極めながら獲得できる絶好の機会でもある。
米国の大学の授業料は年々高騰を続けており、学生を悩ませている(表1)。カリフォルニア州立大学は、当然のことながら、その州の住民の税金によって運営されている。従って、州外からの越境入学の場合は、表記の倍近い授業料を納めなければならない。
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それだけに夏休みは大学生にとっては、学費を稼ぎ出すための時期でもある。その夏休み中の大学生をインターンとして、ほとんどの米国企業が採用する。通常の人材紹介サイトでのインターン募集のほかに、インターン専門の募集サイトも多く存在するほどだ(図1)。インターンには正規の仕事の一部を割り当てたり、新規開発のブレインストーミングに参加させたりする。
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例えば、米Googleの場合、シリコンバレー本社のほかにも、サンフランシスコやロサンゼルス、ニューヨークなどの主要都市にある同社事業所でインターンを受け入れる。毎年、4万人の応募者の中から1500人を厳選し、インターンとして受け入れる(図2)。
インターンシップの期間において業績が優れた者は、大学卒業後、本採用になることが多い。実務を通した人物評価は、旧式なペーパーテストや短時間の面接による採用方式よりも、はるかに確信度が高いためだ。
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