[市場動向]
PFN、三菱商事、IIJ、AI向けクラウドサービスを提供する合弁会社「Preferred Computing Infrastructure」を設立
2024年12月23日(月)日川 佳三（IT Leaders編集部）
Preferred Networks（PFN）、三菱商事、インターネットイニシアティブ（IIJ）の3社は2024年12月23日、2025年1月に合弁会社「Preferred Computing Infrastructure（PFCI）」を設立すると発表した。2026年に事業を開始する。主な事業内容は、PFNが開発する省電力AIプロセッサ「MN-Coreシリーズ」を用いたAI向けクラウドサービス「Preferred Computing Platform（PFCP）」の提供・運用・サポートである。
Preferred Networks（PFN）、三菱商事、インターネットイニシアティブ（IIJ）の3社は2025年1月、AI向けクラウドサービスを営む合弁会社「Preferred Computing Infrastructure（PFCI）」を設立する。2026年に事業を開始する。表1は新会社の概要で、資本金は3億円、出資比率はPFNが51%、三菱商事が39%、IIJが10%となっている。
PFCIの主な事業内容は、PFNが開発する省電力AIプロセッサ「MN-Coreシリーズ」を主な計算資源とするAI向けクラウドサービス「Preferred Computing Platform（PFCP）」の提供・運用・サポートである。
PFNは、省電力AIプロセッサの開発と技術支援を担う。三菱商事は、事業戦略の立案とマーケティングを担当する。また、三菱商事グループのMCデジタル・リアルティが提供するNRT12データセンターに計算基盤を構築する。IIJは、クラウドとデータセンターの保守・運用を担う。
事業開始後、ユーザー企業固有の大規模言語モデル（LLM）の構築支援なども請け負うほか、AI向け計算力の提供だけでなく、モデリングやシミュレーションなどHPC（ハイパフォーマンスコンピューティング）へと用途を拡張してゆーざーを支援するとしている。
なお、MN-Coreを搭載したPFNのスーパーコンピュータ「MN-3」は、2020年～2021年に電力効率ランキングのGreen500で世界1位を続けて獲得している（関連記事：Preferred Networksのスパコン「MN-3」が電力当たり性能の「Green500」で3度目の1位に）。
2022年12月には、電力あたりの性能を約25%向上させた現行プロセッサ「MN-Core 2」を発表している。2024年10月からは、MN-Core 2を計算資源としたAI向けクラウドサービス（前述のPFCP）を提供している（関連記事：PFN、電力性能が33%向上したAIプロセッサ「MN-Core 2」、2024年度にスパコン「MN-4」を稼働）。
| 会社名 | 株式会社Preferred ComputingInfrastructure（PFCI） |
|---|---|
| 所在地 | 東京都千代田区大手町1丁目6-1 大手町ビル |
| 設立年月 | 2025年1月 |
| 代表者 | 代表取締役社長 土井裕介氏 |
| 資本金 | 3億円 |
| 出資比率 | PFN 51%、三菱商事 39%、IIJ 10% |
| 事業概要 | PFNが設計・開発を行う省電力AI半導体を組み込んだサーバーなどを含む計算基盤の構築、およびそれらを活用したAI向けクラウドサービス「Preferred Computing Platform（PFCP）」の提供・運用・サポート |
Preferred Networks / 三菱商事 / IIJ / 組織再編 / 生成AI / GPU / スーパーコンピュータ / 協業・提携 / MCデジタル・リアルティ
