鍵は「トップダウン型」アプローチ 大型プロジェクトを成功に導く5つのステップ
2009年6月1日(月)CIO INSIGHT
企業の実行力不足と、株主の不満には強い相関関係がある─。技術やビジネスに関するコンサルティングファームである米プロジェクト・リーダーシップ・アソシエイツが、CEO(最高経営責任者)やCOO(最高執行責任者)、CIO(最高情報責任者)200名以上を対象に実施した調査から明らかになった結果である。(翻訳 : 古村 浩三)
特に大型プロジェクトの場合、株主の満足のいく結果を出すのは至難の業だ。役割分担や責任があいまいなままだったり、経営陣がころころ変わるといった問題は、大型プロジェクトが失敗に終わる大きな要因となる。自分が携わっているプロジェクトを見てみよう。プロジェクトメンバーが積極的に参加していない、ビジネスに責任を持てるプロジェクトマネジャーがいない、計画が不明瞭、会議の運営方針に統制がとれていない…こんな状況になっていないだろうか。
CIO INSIGHTでは、数多くの大規模プロジェクトの経験をもつジェイ・バヘル氏に、大型プロジェクト成功のための5つの実行ステップを挙げてもらった。バヘル氏は、プロジェクト社のCIOサービスソリューショングループのリーダー。スポーツ用品製造業である米ブランズウィックのITエグゼクティブの経験を持つ。
プロジェクトの規模が大きければ大きいほど、上流あるいは初期段階での意思決定やそのための組織運営が大事になる、というのが骨子だ。
ステップ(1)
プロジェクト運営委員会の開設
まず、経営層をメンバーとする運営委員会(=ステアリングコミッティー)を組織する。重要なのは、経営層の人間が責任を持ってプロジェクトを推進することだ。もし責任を背負う覚悟のある2、3人の経営層が参加していないプロジェクトだとしたら、そもそも開始すべきではない。
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