GDOにおけるシステム全面刷新への取り組み「G10プロジェクト」は2010年2月、新たなフェーズに突入した。SAP ERPによる会計システム刷新のほか、会員管理、ゴルフ場予約といったサブプロジェクトが要件定義に突入。これに、オンライン販売プロジェクトが続いた。
2010年12月の稼働予定に向けて、順調に駒を進めているかに見えたG10プロジェクト。ところがこの後、大きな転換を迫られることになる。何が起きたのか。大日健CIOと志賀智之IT戦略室長の2〜5月の動きを、日誌風に追う。
2月17日|志賀
会計プロジェクトの要件定義が本格的に始まった。業務要件は、ベンダー選定以前の業務設計フェーズに詰めてある。このフェーズの主な作業は、その要件と標準機能との差分を明らかにし、アドオン開発する機能を切り出すフィットアンドギャップ分析だ。
3月某日|志賀
GDOが作成した要件一覧表の項目1つひとつを、アビームコンサルティングが持つ「小売業会計SAPテンプレート」と比較。アドオン開発が必要か、それともパッケージの機能をそのまま使うかを検討する作業が続く。連日ミーティングで、1日に2〜3回実施することもざら。他のプロジェクトとの打ち合わせもあり、スケジュール表はびっしりだ。明日も朝8時からアビームとミーティング。4月いっぱいで収束させねば。
4月に入り、各プロジェクトの要件や開発スケジュールが固まり始めた。大日CIOは、それらを順次レビューするなかで徐々に不安を高めていった。
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