2011年6月末、G10プロジェクトは新システムのリリース本番を迎えた。29日午前0時に旧システムを停止。顧客や商品マスターなどのデータ移行を開始した。
作業は予定通り、7月1日未明に完了。同日午前11時にカットオーバー判定会議を実施した。ECやゴルフ場予約、会員管理システムに、インフラやインタフェースといった共通機能を加えた全13チームのリーダーが、担当領域の開発完了を経営陣に報告。石坂信也社長がリリースを正式に承認した。だが順調なのはここまでだった。
万策尽き「心が折れかかった」
新システムのリリースまであと少し。新旧システムの画面を見守るプロジェクトマネジャーの周囲にメンバーが集まってきた7月1日正午、ついにGDOの新サイトがWeb上に現れる(写真)。プロジェクトルームには安堵の顔が溢れた。それもつかの間、直後に問題が発生した。「Webページの表示が遅い」「ログインできない」。ECシステムに、こんな現象が報告された。顧客からのクレームも相次いだ。ここからECシステムを巡る戦いが始まった。
まず目を向けたのはEAIを使ったシステム間連携である。「会員情報取得」や「ログイン」など、Webページを表示するために必要なインタフェースの応答速度やDBレスポンスを精査した。結果はシロ。EAIが問題を引き起こしている痕跡はなかった。
次にログを確認した。すると、DBサーバーのコネクションが応答性能に悪影響を及ぼしていることが分かった。そこで急遽、DBサーバーの増強に踏み切った。作業は20分ほどで済んだ。「サーバー機であるイージェネラのブレードをフェールオーバー。あとはCPUやメモリー割り当てを変更し、チューニングするだけだった」(IT戦略室の志賀智之室長)。
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