[青木顕子のスウェーデンIT通信]

スウェーデンの「クラウド熱」(Vol.08)

2011年5月6日(金)

ITの世界における新潮流としてクラウドに注目が集まり始めたのは、ここスウェーデンでも同様である。最近の話題を拾いつつ、目下の状況をお知らせしよう。

目下のIT業界における大きな潮流として「クラウド」がある。事実、日本ではクラウド関連のニュースが途絶えることなくメディアに取り上げられているようだし、ここ北欧のスウェーデンでも、「モールン」(クラウドのこと)はITのキーワードとして注目を集めている。クラウド業界における学際コンソーシアム、「Cloud Sweden」が1年ほど前に設立されたのは、世間の耳目がクラウドに集まっている証左だろう。スウェーデン国内で数多くのメディアを持つIDGが、今年1月にCloud Magazineを発刊したことも同様である。

スウェーデンの市場概況をざっくり見ると、クラウドを活用しているのは新興企業や中堅・中小企業が中心だ。つまり、大企業の事例はあまり聞こえてこない。先月、クラウドの専門家として名を知られるプレドラッグ・ミトロヴィッチ氏がComputer Swedenの取材に対し、「スウェーデンの大企業は、まだクラウドへの準備が整っていない」との見解を発表していた。ちなみに同氏はNovellやMicrosoftなど、ICT分野での20年にわたるキャリアを持つ。現在はスウェーデンコンピュータ協会のクラウドコンピューティングのスポークスパーソンであると共に、Cloud SwedenのCIOも務める。関連著書も多く、大企業向けのクラウドガイド本を執筆中とのことだ。

日本市場と比べると多少の温度差はあるようだが、クラウドの重要性を認識する声は徐々に高まっているように感じられる。

■クラウド業界全体を後押し!? EuroCloud 賞スタート

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