[中国電脳事情]

【中国電脳事情セレクション】テンセント開発のAI、食道癌の早期スクリーニング臨床試験に採用、ほか

2017年9月26日(火)足立 治男

中国メディア各社の報道から、IT関連の最新動向を紹介する「中国電脳事情」。1カ月間に報じられた主要なニュースから重要なものをピックアップしてお伝えする。

中国が世界最大規模のMVNO市場に成長

―CCTV(2017年8月23日)

 中国のMVNO(仮想移動体通信事業者)ユーザーは5000万を突破し、すでに世界最大規模のMVNO市場となっている。中国工業・情報化省の関係者によると、MVNO業務の収入は48億元、間接的な経済的付加価値(EVA)は約104億元に達し、MVNOユーザー数はすでに中国モバイルユーザー総数の3.6%に達しているという。

 中国では携帯電話番号の上3桁が170と171がMVNOに割り当てられている。中国では2013年5月に同省より、民間資本のMVNO分野への参入を奨励するために「MVNO試験期間」として2013年12月に最初の事業仮免許が交付された。この事業仮免許の交付はこれまで全5回実施され、現在、合計42社が仮免許を保有している。

 現在、これら42社のMVNO事業者のうち、16社が100万以上のユーザーを有しており、その中でも最大の規模を有する事業者ではユーザー数は1000万近くになるという。3年余りのMVNO試験期間中、民間からの直接投資は31億元、直接雇用約9000人、間接的な雇用増加数は4万7000人とのことだ。

 工業・情報化省・情報通信発展司(司は日本の局に相当)の責任者は2017年8月23日、河北省保定市の「雄安新区」で開催された「2017年MVNO産業雄安討論会」の席上で、「MVNO試験期間はまもなく終了するので、現在、正式な商用政策を制定中であり、近く公表する予定だ」とコメントした。

フォーブスが選出したグローバルテクノロジーリストに香港の女性3人が登場

―TechWeb(2017年8月24日)

 米フォーブスのWebサイトによると、このたび発表された「2017フォーブスグローバルテクノロジー100リーガル」に女性6人が選ばれている。そのうち3人が次の中国・香港出身で、2人が米国人、1人が英国人だ。

 このうち最多の個人資産を有する女性が周群飛氏だ。個人資産は約100億米ドル(2017年8月21日現在、以下同じ)で、同リストでは26番目にランク付けされた。同氏はスマートフォン液晶パネルのサプライヤーであるLens Technology(藍思科技)の創始者で、創業時は腕時計用ガラスの製造を手掛けていた叩き上げだ。20数年の試行錯誤の結果、現在は中国通信業界で「携帯ガラス大王」と称されるに至る。同社は2015年3月に深セン証券取引所に上場を果たした。

 今回、初のリスト入りを果たした香港籍の林恵英氏は、同リストの47位で、個人資産は約52億米ドルに達した。同氏はBIEL CRYSTAL(伯恩光学)の創始者であり、同社を夫の楊建文氏と共同で所有している。同社は世界最大のスマートフォンメーカーであるアップルとサムスンにスマートフォン液晶パネルを供給していることで知られている。

 同リスト93位で、個人資産は約26億米ドルの王来春氏は、LUXSHARE-ICT(立訊精密工業)の董事長(取締役会会長)だ。同社は最新型iPhoneのイヤホン変換プラグなどを生産している。2017年の初旬以降、同社の株は60%上昇し、同氏の資産は冒頭の約26億米ドルに達し、これにより余裕で同リスト入りを果たしたと言える。同氏は1999年に退職するまでの約10年間を世界最大のEMS企業であるフォックスコン(鴻海精密工業)に勤務しており、2004年に同氏の副董事長(副会長)である兄と一緒にLUXSHARE-ICTを「購入」している。

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