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日立、ベトナムの金融機関でタブレットとAIによるローン申込・契約システムの実証実験を開始

2020年2月10日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日立製作所は2020年2月10日、ベトナムの消費者金融機関であるVietCredit Finance Company(ベトクレジット)において、AIを活用した新たな金融サービスに向けた実証実験を開始すると発表した。まず、店舗に配置したタブレット端末だけでローンの申込みから契約までを完結できるサービスを実証する。

 日立製作所、日立のベトナム現地法人であるHitachi Asia(日立アジア(ベトナム)社)、ベトナムの消費者金融機関であるVietCredit Finance Company(ベトクレジット)の3社は、ベトナムの金融サービスの高度化に向けて協力することで合意し、AIを活用した自動契約サービスの検討を開始した。

 実証実験では、ベトクレジットの一部店舗に、汎用のタブレット端末を活用した自動契約システムを導入する(図1)。サービスの利用者は、タブレット端末だけで、個人ローンの申し込み受付から契約までを完結できる。手書きによる煩雑な書類作成が不要となる。タブレット端末を持ち運べば、店舗内だけでなく、渉外員による訪問契約時にも利用できる。

図1:ベトクレジットにおいて、タブレット端末を活用した自動契約システムの実証実験を実施する(出典:日立製作所)図1:ベトクレジットにおいて、タブレット端末を活用した自動契約システムの実証実験を実施する(出典:日立製作所)
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 また、バックエンドのローン審査では、稀な事象の発生を予測できるAI「Hitachi AI Technology/Prediction of Rare Case(AT/PRC)」を活用する(関連記事住宅ローンの審査をAIで、住信SBIネット銀行と日立製作所が合弁会社「Dayta Consulting」設立)。発生頻度の低い事象を高精度に予測するほか、その根拠を提示できる。

 将来的には、自動契約サービスとAIによるローン審査サービスを組み合わせ、申込み受付から本人確認、審査、契約までの一連の事務を電子化するサービスの実現を目指す。

 なお、タブレット端末から自動でローン契約を完結できるサービスの導入は、日立製作所によれば、ベトナムにおいて初の試みである。ベトクレジットの店舗のほか、オフィスビルや工業団地など、タブレット端末の設置場所を順次拡大し、より多くの顧客が金融サービスを受けられる環境作りを目指す。

 背景として同社は、ベトナムの金融サービスにおいては、窓口やバックエンドでの事務作業が紙ベースで行われているため、書類の不備による手戻りや待ち時間の増大といった課題が多いなどの状況を挙げる。「また、個人ローンの取引量が増えたことから、無理な貸し出しを未然に防ぐ、より正確な与信審査が求められている」(同社)

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