注文住宅メーカーの一条工務店(本社:東京都江東区)は、コールセンターシステムをコムデザインのクラウドCTI「CT-e1/SaaS」で構築し、稼働を開始した。1つのフリーダイヤル番号ですべての問い合わせを受け付け、アフターメンテナンスについては既存センター、その他の要望・意見・依頼は新センターへと振り分ける仕組みを構築した。また、通話内容のテキスト化など、オペレーターを支援する各種の機能を活用している。導入を支援したTISが2023年7月20日に発表した。
一条工務店は、注文住宅を扱うハウスメーカーである。同社は、全国約500の営業拠点を基盤とした顧客とのコミュニケーションに加え、アフターメンテナンスの電話問い合わせに特化したアフターサポートセンターを20年程前から運用している。
同社は2020年4月、新しいコールセンターを開設した。従来は、アフターメンテナンス以外の問い合わせについても全国拠点の営業担当者が受けていたが、これらの問い合わせを含め、コールセンターでワンストップで受け付けるようにした。1つのフリーダイヤル番号で問い合わせを受け付け、アフターメンテナンスについては既存センター、その他の要望・意見・依頼は新センターへ振り分ける仕組みを構築した。
CTIシステムの選定にあたっては、コールセンターで受けた電話を各拠点に取次転送する際に、PBXやビジネスフォンを含めて内線化できる点を評価し、コムデザインの「CT-e1/SaaS」を採用した。TISが導入を支援した。
通話内容のテキスト化などでオペレーターを支援
CTIシステムの導入効果の1つとして、着信と同時に過去の問い合わせ内容をポップアップ表示し、正確に応対できるようになったことを挙げる。また、会話を録音記録することで、オペレーターは顧客とのコミュニケーションにより集中できるようになった。
2021年末には、電話対応後に応対記録を作成する手間を減らすため、会話音声をリアルタイムでテキスト化する仕組みを導入した。CT-e1/SaaSの純正オプション「CT-e1/Speech to Text」に音声認識エンジンを組み合わせて実現した。
会話音声のテキスト化により、通話録音の聞き直し作業が減り、応対記録を短時間で作成できるようになった。スーパーバイザーは音声認識のボタンを押せばオペレーターの会話内容をテキストで確認できるようになった。以前は録音を頭から聞かないと会話の正確な流れが見えなかったが、通話中でも時間をさかのぼって把握でき、オペレーターを支援しやすくなったという。
2022年秋には、緊急時のDR(災害復旧)体制を整備した。国内の東西2カ所のデータセンターにある「CT-e1/SaaS」のサービス基盤を、手動で切り替えられるようにした。これにより、自然災害やサーバー障害の発生時でもコールセンター業務を継続できるようにした。