矢野経済研究所は2025年1月14日、国内のコールセンター/コンタクトセンター市場に関する調査結果を発表した。2023年度の前者は前年度比5.6%減の1兆902億円で、後者は同4.0%増の4811億円だった。コールセンターのアウトソーシングサービス市場は、スポット需要の規模縮小から揺り戻しが発生した。コールセンター/コンタクトセンターの製品・サービス市場は、クラウド型コンタクトセンターの需要拡大が続いている。
矢野経済研究所は、国内のコールセンター/コンタクトセンター市場に関する調査結果を発表した。調査期間は2024年8月~10月で、コールセンターについては、インバウンド/アウトバウンドの電話応対業務やWeb/ファクスなどの顧客対応業務を請け負うアウトソーシングサービス市場の事業者を、コンタクトセンターについては製品・サービス市場の事業者をそれぞれ対象に調査を行っている。調査方法として、専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・メールによる取材、文献調査を併用している。
2023年度の国内コールセンターサービスの市場規模は、前年度比5.6%減の1兆902億円だった。これまで続いてきたコロナ禍を背景とした、公共分野や官公庁の大型スポット案件の規模縮小に伴って減少傾向にあるという(図1)。
民間企業においては、生産年齢人口の減少、労働力不足、人件費高騰など国内経済を取り巻く厳しい外部環境や、チャットボットやソーシャルメディアなどによる非コール業務が増加していることを背景に、コールセンターのアウトソーシング需要が拡大を続けているという。
一方、2023年度の国内コンタクトセンター製品・サービスの市場規模は、前年度比4.0%増の4811億円だった。市場拡大要因として、コンタクトセンターの在宅対応の一般化が続くなど勤務形態の柔軟性が高まり、通信環境やセキュリティなど、在宅対応時の課題に関連する製品・サービスが伸長していることを挙げている(図2)。
●Next:生成AIの活用が進むコールセンター/コンタクトセンターサービス
会員登録(無料)が必要です