フライトの変更情報を顧客に即時通知、サービス向上に挑むサウスウエスト航空
2009年10月29日(木)CIO INSIGHT
顧客サービス向上のため、電話による自動音声配信システムを利用しているサウスウエスト航空。米紙が実施した顧客サービス満足度調査で低評価を受けたことをきっかけに、社内外のシステム連携などの困難を乗り越え、稼働にこぎ着けた。今号では、この導入事例を追ったCIO INSIGHTの記事を取り上げた。もう1本は、スポーツ界のエグゼクティブたちへのインタビューから導き出した、リーダーのための6つの教訓を示したものだ。
サウスウエスト航空のフレッド・テイラー・ジュニア氏の仕事は、搭乗予定の顧客が問題に直面しないように取り計らうことである。例えばフライトが大幅に遅延したり運休したりした際に、顧客が空港へ出発する前に、電話でその情報を通知し、いくつかの代替策を示すといった業務を担当している。
ハリケーンや吹雪といった自然現象が突発的に起こると、最悪の場合は空港が閉鎖され、何万人もの顧客に多大な影響を及ぼす。こうした緊急時でも、顧客に代替策を連絡できるようにするため、同社は自動メッセージングシステムを構築した。
このアプリケーションは、運航情報を管理するデータベースを綿密にチェックし、問題となるフライトがあったなら、影響を被る顧客を即座にリストアップする。次にコミュニケーション関連サービス企業であるVaroliiが提供する電話によるメッセージ配信システムを介して、顧客に必要なメッセージを送信するという仕組みだ。メッセージには、録音した肉声と、テキスト音声合成ソフトによる音声を併せて利用している。
悪天候によって運航状況が刻々と変わる時に顧客がどれほど不安な立場に置かれるかは十分に把握しており、できる限りの対応をしてきたと語るテイラー氏。だが、「天候に起因する問題に対処するだけでは顧客サービスは不十分なのではないか、その他にも顧客に影響を与える要因があるはずだ、と考えるようになった」と続ける。そして、フライトの出発ゲート変更といった、天候に関係なく発生する事柄までも顧客に伝達できるようにシステムを改善してきた。
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