社是は「おもしろおかしく」。これは、「人生のいちばん良い時期を過ごす『会社での日常』を積極的でエキサイティングなものにしてほしい。おもしろおかしく仕事ができるのは、本人だけでなく会社にとっても最大の幸福である」という堀場雅夫最高顧問の思いに基づいています。
社是は「おもしろおかしく」。これは、「人生のいちばん良い時期を過ごす『会社での日常』を積極的でエキサイティングなものにしてほしい。おもしろおかしく仕事ができるのは、本人だけでなく会社にとっても最大の幸福である」という堀場雅夫最高顧問の思いに基づいています。
この社是のせいか、宴会やイベントの多い会社です。例えば、年末の管理職パーティ。経営陣と管理職、総勢300人ほどがホテルで会食するんですよ。男性はタキシード、女性はドレス着用です。「上場企業の管理職たるもの、フォーマルパーティでの振る舞いを身につけておくべき」という最高顧問の発案で、15年ほど前に始まったイベントです。最初のころこそみんな戸惑い気味でしたが、回数を重ねるにつれ慣れてきました。タキシード姿も、だいぶサマになってきたんじゃないかな(笑)。
ほかにも、その月に誕生日を迎える社員を祝う誕生パーティを毎月開催しています。経営層や管理職がホスト役になって、参加者を祝うんですよ。システム部門の飲み会もしょっちゅうやっています。ただし、約60人いるメンバー全員が顔をそろえることはなかなかないのが残念です。まあ、誰かがシステムを見ていないといけませんから、仕方ない。システム担当の宿命です。
おっと、本の話でしたね。今年はじめに、ある企業の広報誌で鈴木敏夫さんのインタビュー記事を読みました。鈴木さんは、「となりのトトロ」で有名なスタジオ・ジブリのプロデューサーです。実は私、ジブリ作品が好きでしてね。特に「風の谷のナウシカ」は、DVDも持っています。あんまり何度も繰り返し観るものだから、家族はあきれていますが(笑)。
余談はさておき、鈴木さんはインタビューでこんなことを言っていました。「人は1日の大半を仕事で過ごすんだから、少しでもその場をおもしろくしたほうがいい」。これはまさに、当社の社是に通じる考え方です。さっそく、鈴木さんが書いた「仕事道楽」を購入しました。
期待に違わず、素晴らしい1冊でしたよ。印象に残ったのは「仕事は公私混同」という言葉。ここまでが仕事、ここからがプライベート、などと言っていたら、楽しめる時間はごくわずかになってしまう。そうではなく、楽しめる時間を仕事の時間にも浸食させればいい。鈴木さんはそう言います。
そういえば、最近読んだ「イノベーションの新時代」にもこんな一節がありました。「プライベートと仕事、両方で使うため、協働のための新しいプラットフォームの試行的利用が猛烈に進む」。なるほど、世の中はジブリの鈴木さんが言うところの公私混同の方向へと進んでいるんですね。これはますます、おもしろおかしく仕事をしていかねば。そう感じます。
ビジネスパーソンとしての原点に立ち返るためにいつも読んでいるのは、アルビン・トフラーの「第三の波」と、ピーター・ドラッカーの「現代の経営」です。第三の波は30年前、現代の経営は50年以上前に書かれた本ですが、どちらもこのインターネット時代における経済や社会を予見していることに驚かされます。
M・S・クリシュナン 、 C・K・プラハラード 著
有賀 裕子 訳
ISBN:978-4532314569
日本経済新聞出版社
2100円
アルビン・トフラー 著
徳岡 孝夫 監訳
ISBN:978-4122009530
中央公論新社
999円
- 新井 修
- 堀場製作所 業務改革推進センター 情報技術担当 センター長
- 1972年に入社し、設計開発部門のシステム化を担当。1985年から、ITネットワークをベースとした基幹系やCAD/CAM、工場、OAシステムの統合による業務改革推進に従事した。2001年、業務改革推進センター長に就任。グループ統合化に向けたPLMシステム、ERPシステム導入を指揮する。2009年4月より現職
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