シリコンバレーの投資家から大きな期待を集めているSNS。今回は、そのSNSの社会的影響を取り上げる。当地におけるもう1つのホットな話題は、クラウド業界の再編成だ。
シリコンバレーでは今、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)分野へのベンチャーキャピタル(VC)投資が活発だ。前回お伝えした通り、Facebookはこれまでに総額23億4000万ドル、Twitterは同3億6000万ドルの投資を獲得した。この2社だけではない。表1に、シリコンバレーで起業している主なSNSへのVC投資をまとめた。
注目株は、NPOや慈善団体向け情報交換サイトのJumoである。「世界を変えよう」をスローガンに、クリス・ヒューズ氏(27歳)が2010年3月に創業した。同氏はハーバード大に在学中の2004年、ルームメイトのマーク・ザッカーバーグ氏らとFacebookを共同設立。さらには2008年の米大統領選において、オバマ陣営のインターネットキャンペーンを指揮し、同陣営を勝利に導いた人物である。同社の今後には大いに期待できる。
表1で挙げた以外にも、VC投資獲得を虎視眈々と狙う予備軍があまた控えている。米国の特許庁は2003年以来、約400件に上るSNS関連の特許を認可した。そして今なお、約7000件の特許申請が手付かずのまま。2010年に申請されたものだけでも、1200件あるという。
SNSの功罪
SNSはもはや、単なる“将来有望な投資先”ではない。すでに、社会に大きなインパクトを与えている。例えば、2011年2月のエジプトに端を発し、リビアへと連鎖した市民革命では、活動家同士の情報交換にFacebookとTwitterが大きな役割を果たした。日本で3月に発生した大震災の際にも、電話やメールといった通信手段が使えない中で、SNSを使って家族・知人の安否を確認したという人は多い。
しかし、何事にも光と影がある。SNSは、人々の間で悩みの種にもなりつつある。
Facebookでは、その人の交友関係を過去にさかのぼってたどれる。共通の友人が見つかることもある。それがおもしろさでもあるのだが、一方で好ましくない交友関係が露呈し「君はあんな人と付き合っていたのか!」と物議を醸すことにもなりかねない。
ある離婚弁護士(米国には離婚問題を専門に扱う弁護士がいる)によると「最近、持ち込まれる離婚争議の5件に1件はFacebookが原因」という。同じネットの世界の話題では、夫が仮想ゲーム空間Second Lifeの中で他の女性と夜をともにしたことを発見して、離婚に持ち込んだ女性もいる。仮想の世界と言えども、付き合う相手にはご用心。
SNSは、十代のメンタル面にも重大な影響を及ぼしている。いまや、米国の中高生にとってスマートフォンは必携の品。SNSは自己顕示の格好の場だ。友人の多さや最新のゲーム機、豪華なリゾートでのバケーションなどを自慢し合って楽しんでいる。しかし、内気で友人が少ない子や、経済的に余裕がない家庭の子はそうはいかない。逆に、同世代の自慢話に触れることで劣等感にさいなまれ、落ち込んでしまう。これを、「Facebook depression(フェースブックうつ)」と呼ぶ。
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